タイの駐在に必要なビザはどれ?種類や取得方法、必要書類を紹介

タイの国旗とビザと書かれたキーボード タイの生活

タイでの駐在や就労には、適切なビザの取得が必要です。駐在員向けのビザにはいくつかの種類があり、目的や滞在期間に応じて選ぶ必要があります。

また、申請の流れや必要書類を事前に理解しておくことで、スムーズな手続きが可能です。

この記事では、日本人がタイで駐在するために必要なビザの種類や取得方法、必要書類を詳しく解説します。

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日本人がタイで働くには「Bビザ」と「労働許可証」が必要

日本人がタイで働くためには、「Bビザ(ノンイミグラント-Bビザ)」と「労働許可証(ワークパーミット)」の2つが必要です。

Bビザはタイで合法的に就労するためのビザであり、労働許可証は実際にタイで働くために必要な許可証です。

どちらか一方ではなく、両方を取得することが必須となります。

まずは、それぞれの取得方法や注意点について詳しく解説します。

日本でBビザを取得

タイでの就労を希望する日本人は、渡航前に日本国内のタイ王国大使館または総領事館でノンイミグラント-Bビザ(就労ビザ)を取得する必要があります。

必要書類

Bビザの申請には、以下の書類を準備する必要があります。

  • パスポート(残存有効期間が6ヶ月以上)
  • ビザ申請書(大使館または総領事館で入手可能)
  • 証明写真(縦4.5cm×横3.5cm・カラー・3ヶ月以内に撮影されたもの)
  • 経歴書
  • タイ側の雇用先企業が発行する招聘状(ジョブオファーレター)
  • 雇用先企業の登記簿謄本のコピー(タイ商務省発行・6ヶ月以内のもの)
  • 航空券(eチケット)または航空券予約確認書コピー

申請には、パスポートやビザ発行を要請するタイ側の会社発行の招聘状などが必要です。

書類に不備がなければ、3営業日後(申請日を含む)にビザを受領できます。

タイで労働許可証を取得

タイに入国後、就労を開始するには労働許可証(ワークパーミット)を取得しなければなりません。

労働許可証は、雇用主であるタイの法人が労働局に申請します。

個人での申請はできないため、まずはタイ国内で雇用契約を結び、企業側に申請を依頼することが前提となります。

必要書類

労働許可証の申請には、以下の書類が必要です。

  • 労働許可証申請書
  • パスポート(Bビザが押印されたもの)
  • 証明写真3枚(3㎝×4㎝・6ヶ月以内に撮影されたもの)
  • 雇用契約書(労働省規定のもの)
  • 卒業証明書(英文)および職歴証明書(英文)写し
  • 健康診断書(タイ国内の指定病院で取得)
  • 雇用先企業の登記簿謄本のコピー(タイ商務省発行・6ヶ月以内のもの)
  • 雇用先企業の事業登録証明書(VAT登録書)・納税証明書(VAT申告書)
  • 雇用先企業の決算報告書・社会保険申告書(最新のもの)
  • 雇用先企業の会社所在地地図
  • 会社代表者のIDカードのコピー
  • その他許可書類

労働許可証の有効期限は通常1年間ですが、業務内容や雇用契約の内容によっては3ヶ月や6ヶ月の場合もあります。

タイでBビザの延長手続き

タイでの就労を継続するためには、初回のBビザ(90日間有効)の有効期限内に滞在延長の手続きを行う必要があります。

延長手続きは、有効期限の30日前(バンコクは45日前)から申請が可能です。

必要書類

Bビザの延長手続きには、以下の書類が必要です。

  • パスポート(Bビザが押印されたもの)
  • 滞在延長申請書(TM.7)
  • 証明写真2枚(4㎝×6㎝・6ヶ月以内に撮影されたもの)
  • 雇用契約書(労働省規定のもの)
  • 労働許可証原本及び写し
  • 雇用先企業の登記簿謄本のコピー(タイ商務省発行・6ヶ月以内のもの)
  • 株主名簿(6ヶ月以内の認証謄本原本)
  • 雇用先企業の納税証明書(VAT申告書)
  • 雇用先企業の決算報告書・社会保険申告書(最新のもの)
  • 個人所得源泉徴収票および領収書
  • 会社所在地の地図
  • 雇用先企業で撮影した写真(会社入口・会社内・スタッフなど)

審査期間は4週間程度が目安となります。審査完了日までは仮延長を受けられますが、できる限り早めに手続きを済ませておきましょう。

タイに駐在に必要なビザの種類

タイでの滞在や就労には、目的に応じた適切なビザの取得が必要です。

ここでは、タイの主要なビザ5種類について詳しく解説します。

ノンイミグラント-B/IB(就労/ワーキング)

入国目的 入国回数 有効期限 滞在可能期間 料金
就労・
インターンシップなど
シングル:1回
マルチプル:
入国回数制限なし
シングル:3ヶ月
マルチプル:1年間
3ヶ月(延長可能) シングル:11,000円
マルチプル:
26,000円

一般的なサラリーマンがタイに滞在する場合、取得するのはノンイミグラント-B/IB(就労/ワーキング)です。

1回のみ入国が可能な「シングル」と「マルチプル」申請の2種類があります。

ノンイミグラント-Bは、タイ国内での就労を目的とするビザで、現地企業との雇用契約に基づき、入国後に「労働許可証(ワークパーミット)」を取得する前提で発行されます。

入国時に90日間の滞在許可が与えられ、労働許可証の取得とともに滞在期間の延長手続きを行うことで、最大1年間の滞在が可能です。

ノンイミグラント-B/IB(商用)

入国目的 入国回数 有効期限 滞在可能期間 料金
商談、会議、
市場調査など
シングル:1回
マルチプル:
入国回数制限なし
シングル:3ヶ月
マルチプル:1年間
3ヶ月(延長可能) シングル:10,000円
マルチプル:
22,000円

ノンイミグラント-B/IB(商用)は、タイ国内の支店や取引先への短期出張や商談などを目的とするビザです。

このビザだけで就労することはできませんが、取引先訪問や出張には最適です。

滞在可能期間は90日間ですが、必要に応じて、タイ入国管理局で延長を申請することが可能です。

ビジネスミーティングやプロジェクトの準備活動などに利用されるビザで、日本人がタイ現地の支店や子会社に出張する際には、こちらのビザを取得するのが一般的です。

ノンイミグラント-O(家族滞在)

入国目的 入国回数 有効期限 滞在可能期間 料金
タイに居住するタイ国籍以外の家族と滞在する 1回 3ヶ月 3ヶ月(延長可能) 11,000円

ノンイミグラント-O(家族滞在)は、タイで働く駐在員の配偶者や子どもが帯同するためのビザです。家族と一緒に長期滞在する場合に必要となります。

ノンイミグラント-O(家族滞在)の申請には、駐在員本人のBビザ、婚姻証明書や出生証明書の提出が必要です。

滞在可能期間は90日間ですが、必要に応じて、タイ入国管理局で延長を申請することができます。

スマートビザ

入国目的 入国回数 有効期限 滞在可能期間 料金
投資、会社経営など 入国回数制限なし 6ヶ月〜4年間 6ヶ月〜4年間 52,000円〜208,000円

スマートビザは、投資家やスタートアップ創業者、専門技術者を対象とした特別なビザです。タイ政府の「タイランド4.0」政策の一環として設けられたもので、技術革新や経済発展を促進する目的があります。

労働許可証なしで働くことが認められていますが、ビザの申請にはBIO(タイの投資委員会)による資格認定書を提出しなければならず、取得難易度が高いため、一般的な駐在員が取得する機会はほとんどありません。

⾧期居住者ビザ(LTR)

入国目的 入国回数 有効期限 滞在可能期間 料金
長期滞在 入国回数制限なし 10年間 10年間 260,000円

2022年に導入されたLTR(Long-Term Resident)ビザは、富裕層や高度な技能を持つ人材を対象とした長期滞在ビザです。

取得するためには、資産額やタイへの投資額などの要件を満たす必要があり、一般的な駐在員が取得するケースは少ないですが、老後の移住先としてタイを検討している富裕層の方には魅力的な選択肢となるでしょう。

⾧期居住者ビザ(LTR)を取得すれば、最大10年間の滞在が可能です。

労働許可証を取得すればタイ国内での就労も認められており、個人所得税が軽減されるというメリットがあります。

また、配偶者や20歳未満の子どもも申請可能で、ビザ保持者1人につき、最大4人まで扶養家族のビザ申請ができます。

日本人の30日以内滞在なら商用ビザは不要

2024年1月1日から2026年12月31日までの3年間、日本人が商用目的で30日以内の短期滞在をする場合、商用ビザ(ノンイミグラント-B/IB)の取得が免除されます。

これにより、短期間の商談や会議のためのタイ渡航がよりスムーズになりました。

以下のような目的での渡航であれば、商用ビザを取得せずに入国できます。

  • タイの企業との商談や事業展開に関する会合への参加
  • 日本企業のタイ子会社・グループ会社・取引先との会議や視察

ただし、インターンシップのための渡航や記者・報道関係者、現地のイベントに出演するアーティストなどの渡航の場合は、商用ビザの免除は認められません。

ビザ免除を受けるためには、タイ側の会社からの招聘状(招待状)や商談・会議予約書などの証明書類を提示する必要があります。

事前に書類を準備し、入国時に提示を求められた際に対応できるようにしておきましょう。

また、商用ビザの免除制度は30日を超える滞在には適用されません。

31日以上の滞在が必要な場合は、従来通り「ノンイミグラント-B/IB(商用)」を申請しましょう。

タイの就労ビザを取得する流れ

タイでの就労に必要なビザの種類が分かったところで、続いては実際に就労ビザを取得するまでの流れを見ていきましょう。

事前準備から申請、取得、延長までの大まかな手順は、次の6ステップです。

  1. 内定承諾書に署名する
  2. ビザ取得に櫃王な書類を準備する
  3. タイ大使館でNon-Bビザを申請する
  4. 労働許可証の申請に必要な書類を用意する
  5. タイに渡航し、労働許可証を申請する
  6. Non-Bビザの延長手続きをする

以下で、それぞれのステップの詳細を解説していきます。

内定受諾書に署名する

まずは、就労する企業からの内定に承諾したことの証明として、内定受諾書に署名します。

ビザ取得に必要な書類を準備する

次に、Non-Immigration B/IBビザ(以下:Non-B)の取得に必要な書類を準備します。

必要書類には、自分で用意すべきものと会社側が用意すべきものがあります。

自分で用意すべき主な書類は、以下の通りです。

  • パスポート原本及びパスポートの顔写真があるページのコピー(有効期限が6が月以上あり、査証欄の余白が2ページ以上あるもの)
  • 申請書(すべての欄に記入し、申請者自身で署名欄にパスポートの署名と同一の署名をする
  • 証明写真(横3.5×縦4.5cmのサイズで3ヶ月以内に撮影したもの)
  • 職務経歴書(英文)
  • 航空券
  • 申請日の予約確認書

企業側が用意すべき招聘状などの書類は、タイから郵送で取り寄せます。

必要書類の詳細については、タイ大使館のホームページもチェックしてください。

日本のタイ大使館でノンイミグラント-Bビザを申請する

日本のタイ大使館にて、Non-Bビザの申請をします。

事前に、タイ大使館Webサイト内のビザオンライン事前予約システムから、申請日の予約を行っておく必要があります。

すべての必要書類が手元に揃うまでの期間も考慮して、予約するようにしてください。

申請日の翌日以降に受領され、入国日から90日の滞在が認められます。

労働許可証の申請に必要な書類を用意する

タイで働くためには、労働ビザに加えて「労働許可証」も必要です。

労働許可証の申請に必要となる書類は、会社の業種や形態などによって異なりますが、ここではタイの一般法人企業で働く場合の主な必要書類をご紹介します。

  • 申請書
  • パスポートの原本及びコピー
  • 証明写真
  • 雇用証明書(労働省規定のもの)
  • タイの医師による健康診断書
  • 職務経歴書(英文)
  • 最終学歴の卒業証明書(英文)
  • 会社の組織図や株主名簿、登記書類、社会保険関係の書類など

会社関係の書類については、全てに会社の認証と役員の署名が必要です。

タイに渡航し、労働許可証を申請する

タイに渡航し、現地の労働局にて労働許可証の申請を行います。

申請から取得に至る期間は、管轄エリアの労働局によっても異なりますが、おおよそ10日~4週間程度かかります。

なお、労働許可証の有効期限は、会社の業種や形態によって通常、3ヶ月~1年となっています。

労働許可証を取得したらノンイミグラント-Bビザの延長手続きをする

労働許可証を取得したら、入国管理局にてNon-Bビザの延長手続きをします。

約2~4週間の審査期間を経て取得完了後、シングルビザに限って最初の取得日にさかのぼり合計1年間有効となります。

最初の滞在期限である90日まで、残り4週間未満で延長申請をした場合は、審査が完了するまで仮延長を受けられます。

とは言え、できるだけ余裕を持って申請日を決めておくことをおすすめします。

タイの就労ビザを申請する際の注意点

タイの就労ビザを申請する際には、いくつか注意点があります。

就労ビザをなるべくスムーズに取得するためにも、しっかりと把握しておきましょう。

特に注意が必要すべきなのが、以下の点です。

  • 提出した航空券もしくは航空予約確認書に記載されている入国日に、必ず入国しなければならない。
  • 一度受理された書類は、返却してもらうことができない。
  • 総領事館から追加書類の提出を求められることがある。
  • 書類に不備があった場合、申請を拒否される可能性がある。
  • ビザ申請料は返金不可能。
  • 必要書類は、事前通知なく変更になるケースもある。
  • 詐称や虚偽の申請を行った場合は、永久に申請資格を失う。

これらの注意事項を踏まえた上で、綿密に申請準備を進めていきましょう。

2年目以降の更新も忘れずに

タイで就労し続けるためには、2年目以降も毎年就労ビザを更新する必要があります。

それに伴い、労働許可証も更新しなければなりません。

どちらか片方でも失効してしまうと、滞在許可と就労許可の両方を失うことになってしまうため、有効期限が切れる前に双方とも忘れず更新手続きを行うようにしましょう。

2年目以降の更新手続きに必要な書類は、初年度と同じです。

また、就労ビザの更新は滞在有効期限の1ヶ月前から申請可能となっているので、審査にかかる期間も考慮し、早めに必要書類を準備しておきましょう。

また、転勤や転職などによって就労先が変わった場合は、就労ビザと労働許可証、両方の取り直しが必要です。

タイ駐在に向けてビザの準備を進めよう!

タイに駐在する際は、就労ビザの取得が不可欠です。

その就労ビザを取得するためには、様々な書類を用意した上でタイ大使館や入国管理局へ赴き、申請手続きを行う必要があるため、ある程度の時間を要します。

また、就労ビザだけでは実際にタイ国内で働くことができないため、併せて労働許可証の申請・取得も必要です。

申請に必要な書類を手元に用意するまでの時間、審査を受けて承認が下りるまでにかかる期間も踏まえて、早めに準備に取りかかるようにしてください。