タイ・バンコクに住むことになって物件探しが必要になった時、気になるのは家賃ではないでしょうか。
日本でもエリアや物件によって家賃が異なるように、タイもエリアや物件ごとに家賃相場が存在するので、借りる前に確認することが大事です。
今回は、タイ・バンコクの家賃相場から日本人が多く住むエリア、タイで多く見られる住居形態や賃貸物件の特徴についてご紹介します。
タイ・バンコクの家賃はエリアで変わる
タイ・バンコクで日本人が多く暮らすエリアは、スクンビットエリアとスクンビット郊外の2つです。
2つのエリアは特徴が異なり、家賃相場にも違いがあります。
まずは、スクンビットエリアとスクンビット郊外の特徴から見ていきましょう。
スクンビットエリア | スクンビット郊外 | |
家賃 相場 |
20,000~80,000バーツ(約76,000~300,000円) | 10,000~30,000バーツ(約38,000~114,000円) |
特徴 |
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スクンビットエリアの特徴
スクンビットエリアとは、BTSアソーク駅東側からウドムスック駅周辺までの範囲を指します。
徒歩圏内に日本料理店や日本食材を取り扱っているスーパーがたくさんあり、移住後も馴染みのある食事を楽しめます。
サミティベート病院では日本語が通じるので、体調不良やケガで受診が必要になった時も安心です。
また、日本人の保育士や講師が在籍する幼稚園・学習塾などがあるので、家族を連れて移住したい時にも適しています。
周辺の物件には日本人の入居率が高いので、日本人同士の友人も作りやすい環境です。
物件のタイプや広さ、立地にもよりますが、家賃は20,000~80,000バーツ(約76,000~300,000円)が平均相場で、後述する郊外と比べて高くなります。
スクンビット郊外の特徴
スクンビット郊外とは、BTSオンヌット駅からウドムスック駅周辺までの範囲を指します。
郊外では開発が進んでおり、新築コンドミニアムが増加しています。
また、オンヌット駅周辺の日本でもお馴染みの飲食チェーン店が入居しているショッピングモールがあるので、懐かしい味を気軽に堪能することが可能です。
また、都心部と比べて渋滞が少なく、サムットプラカーンやチョンブリなどの方面に通勤する人も暮らしやすいと言えます。
家賃はスクンビットエリアよりも安価な傾向にあり、平均相場は10,000~30,000バーツ(約38,000~114,000円)となります。
バンコク以外のタイ主要都市の家賃相場
タイにはバンコク以外にも日本人が暮らしているエリアがあります。
ここでは、シラチャやチェンマイ、プーケット、パタヤといった主要都市の家賃相場をご紹介しましょう。
シラチャ
シラチャはタイの東部に位置する都市で、バンコクの次に日本人が暮らす街として知られています。
元々は小さな漁村だったシラチャですが、物流拠点となるレムチャバン港ができたことで国際的な貿易港として発展し、多くの日系企業も入るようになりました。
そこからサービスアパートメントやコンドミニアムなどが次々と建設されていき、大きな街へと発展していったのです。
そんなシラチャの家賃相場は一人暮らしだと30,000~50,000バーツ(約120,000~210,000円)、家族連れだと50,000~100,000バーツ(約210,000~420,000円)になります。
チェンマイ
チェンマイはタイ北部にある都市で、格式の高い寺院などもあることから観光地としても人気の高いエリアです。
チェンマイの物件はバンコクと同様にコンドミニアムや戸建てが主ですが、さらに「ムーバーン」という物件も選べます。
ムーバーンとは、塀で囲んだ敷地の中に住宅街が並んでいる場所を指しています。
入口には警備員が常駐しているため、安心して暮らせるのが魅力です。
また、住民専用のジムやプールも併設されており、快適な生活を送れます。
チェンマイの家賃相場は、一般的なコンドミニアム(ジム・プール付き)で8,000~13,000バーツ(約33,000~55,000円)、ファミリー向け物件だと13,000~20,000バーツ(約55,000~84,000円)以上です。
ただし、チェンマイも郊外まで出れば高級な一戸建てやムーバーンでも10,000バーツ代の物件が見つかります。
プーケット
プーケットは、1年を通して観光客が訪れるタイのリゾート地です。
マリンスポーツが盛んに行われており、パラセーリングやダイビング、ジェットスキーなども楽しめます。
バンコクやチェンマイのような内陸部とは異なり、海に近いことからリーズナブルな価格で新鮮な魚介類を味わえます。
ただし、現在は物価が上昇しており、家賃も以前に比べて高くなっています。
特にリゾートマンションだと30,000~50,000バーツ(約120,000~210,000円)かかってしまう所もあります。
それでも安い物件がないわけではありません。
例えばエアコン・家具付きのワンルームアパートであれば6,000バーツ(約25,000円)で借りられる場合もあります。
パタヤ
パタヤは、バンコクから車で約2時間の場所にあるリゾートエリアです。
毎年国内外から多くの観光客が訪れています。
プーケットはバンコクまで移動するのに飛行機に乗る必要がありますが、パタヤなら陸路で気軽にバンコクへ訪れることも可能です。
パタヤにはアパートやコンドミニアムが多く、格安のワンルームアパートだと3,000バーツほどで借りられる物件もあります。
ただし、グレードの高い物件を選ぶとスクンビットとそれほど変わらない家賃になります。
相場は1ベッドルームで15,000~40,000バーツ(約63,000~169,000円)、2ベッドルームで30,000~80,000バーツ(約127,000~339,000円)の家賃が目安です。
タイは住居形態のよって賃貸相場が変わる
タイには、大きくわけて4種類の住居形態があります。
住居形態によっても家賃相場は異なるので、各タイプの特徴を確認していきましょう。
アパート
アパートは日本人にも馴染みのある賃貸物件です。
1つの物件を法人や個人のオーナーが丸ごと所有しているので、何かトラブルが合った際は迅速な対応に期待できます。
設備の充実度は家賃と比例し、最も安価な物件が多いスタジオタイプ(ワンルーム)になると最低限の家具と設備が設置されているだけなので注意してください。
コンドミニアム
コンドミニアムは、日本の物件で例えるなら分譲マンションのような住居形態を指します。
部屋ごとに異なるオーナーがいるため、同じ建物でも内装や設置されている家具、家賃などの条件が違います。
アパートと比べると設備やサービスが充実していて、プールやジムなどの娯楽施設が併設されているタイプも多いです。
そのため、家賃の相場は幅広く、格安から高級コンドミニアムまで存在します。
サービス・アパート
サービス・アパートは、アパートにルームクリーニングなどのホテルサービスが付帯された物件です。
ホテルの一部を居住用に提供している場合もあります。
寝具や家電、調理器具などが一通り揃っているので、入居した時点から普段どおりの生活を始められます。
また、光熱費やインターネット代は家賃に含んでいることが多いです。
フロントサービスもあり、何かあった時は24時間対応に応じてもらえます。
契約期間は物件ごとに違いがありますが、数日から1ヶ月と短期から1年単位の長期まで対応しています。
サービスが充実している分、家賃はアパートよりも高くなることがデメリットです。
一戸建て
一戸建ては家族で移住するなど長期滞在時におすすめです。
バンコクの中心部では物件数は少ないものの、郊外では空き家が見るかることはあります。
一戸建てはタイ法人名義を除き、日本人は購入できません。
しかし、賃貸であれば一戸建てに住むことは可能です。
ただし、物件数は他の住居形態よりも少ないので注意してください。
また、基本的にタイ人向けに建てられているので、水回りなどの設備が不便と感じる可能性があることも念頭に置いておきましょう。
タイ・バンコクの物件タイプ別・家賃相場
タイ・バンコクの賃貸物件は、単身者向けからファミリー向けまであります。
続いては、単身者向け賃貸とファミリー向け賃貸の家賃相場をご紹介しましょう。
単身者向け賃貸の相場
タイ・バンコクの賃貸物件では、スタジオ(ワンルーム)や1ベッドルーム(1LDK)が単身者向け賃貸になります。
単身者向け賃貸物件の家賃相場は、8,000~20,000バーツ(約30,500~76,000円)です。
中央値が12,000バーツ(約45,800円)なので、これぐらいの家賃を出せば部屋の選択肢も広がります。
また、エリアで見てみると、スクンビットエリアが20,000~40,000バーツ(約76,000円~152,000円)、スクンビット郊外は10,000~20,000バーツ(約38,000~76,000円)が相場です。
10,000バーツ前後の家賃で賃貸を探したい時は、スクンビット郊外で探してみると良いでしょう。
ファミリー向け賃貸の相場
タイ・バンコクのファミリー向け賃貸には、2ベッドルーム(2LDK)や3ベッドルーム(3LDK)の部屋が該当します。
間取りや広さによって異なりますが、家賃相場は25,000~35,000バーツ(約95,500~133,000円)です。
広く、部屋数も多い分、単身者向けよりも高くなります。
また、エリア別で見てみると、スクンビットエリアが50,000~80,000バーツ(約191,000円~300,000円)、スクンビット郊外は20,000~30,000バーツ(約76,000~114,000円)が相場です。
スクンビットエリアは家賃が高くなりますが、その分設備やサービスが充実した賃貸が見つかりやすいメリットがあります。
タイでは家賃以外に初期費用はどれくらいかかる?
タイの住宅事情は日本と異なる部分もあります。
特に賃貸住宅へ引っ越した時の初期費用は異なるため、あらかじめどのような初期費用が必要となるのか確認しておきましょう。
タイでは「デポジット」がかかる
タイの賃貸物件に引っ越しをすると、初期費用として「デポジット」がかかります。
デポジットとは日本でいう「敷金」にあたるもので、物件を借りる際にオーナーへ預けるお金になります。
物件によって多少異なりますが、デポジットの相場は契約した物件の家賃×2ヶ月分となる場合が多いです。
日本の敷金と同様に、その物件から引っ越す際にダメージ料などを清算した上で返却される仕組みです。
この時のチェック体制は物件によって厳しさが変わってきます。
例えばある程度綺麗に掃除をしてから物件の引き渡しを行った場合、全額返金となる可能性があります。
逆に設備を壊したまま物件を引き渡してしまうと、デポジットから修繕費用が差し引かれることになります。
礼金・鍵交換費用・保険会社への費用はかからない!
日本だと敷金の他に、礼金や鍵交換費用、保険会社への加入にかかる費用などを支払う必要があります。
しかし、タイの賃貸物件ではこれらの費用がかかりません。
つまり、初期費用で必要となってくるのは家賃1ヶ月分+デポジット(家賃2ヶ月分)のみです。
さらにタイの賃貸物件は家具・家電付きの物件が多いことから、わざわざ家具・家電を購入する必要もなく、大幅に引っ越し費用を抑えることも可能です。
タイならでは!賃貸物件の特徴
タイと日本の賃貸物件は、家賃以外にどのような違いがあるのでしょうか。
ここで、タイならではの賃貸物件の特徴をご紹介します。
単身者向けでも間取りが広い!
タイの賃貸物件は単身者向けの物件でも間取りが広い傾向にあります。
スタジオなら20~35㎡、1ベッドルームなら28~45㎡が平均的な広さです。
日本のワンルームや1Kの広さの中央値は20~22㎡が平均的なので、タイの物件は広い物件が多いことがわかるでしょう。
日本と同じレベルの快適性は難しいものの、窮屈さを感じない空間で生活ができます。
家具・家電は備え付けが多い
タイの賃貸物件では、家具や家電が備え付けられていることがほとんどです。
日本で言えば、マンスリーマンションの感覚で賃貸を借りられます。
物件によって設置される家具や家電は異なり、追加や変更を希望する場合はオーナーとの交渉が必要です。
また、コンドミニアムの場合は部屋ごとにオーナーが異なり、設備から内装の雰囲気まで違うので、内見でしっかり確認するようにしましょう。
タイは外食で済ますことが多いため、台所がなく、自炊を禁止している物件もあります。
自炊ができる物件でも電子レンジなどの調理器具が揃っていないこともあり、その場合は購入やレンタルが必要な点に気を付けてください。
共有施設が整っている
高級コンドミニアムでは、フィットネスジムやプール、テニスコート、ゴルフ練習場、サウナ、子どもの遊び場などの共有施設が完備されていることが多いです。
共有施設が充実している物件を選べば、タイでの生活をよりエンジョイできます。
ただし、共用施設やサービスが充実しているほど家賃は高くなるので、収入と支出のバランスに考慮して物件のクラスを選ぶことが大事です。
タイでは北向きの部屋が人気
日本の賃貸物件は、日当たりを考慮して南向きの物件が選ばれる傾向にあります。
一方、タイの賃貸物件では北向きの物件が人気です。
その理由はタイの気候にあります。
タイは熱帯モンスーン気候であり、年間を通して高温多湿の環境が続きます。
1年間の平均気温は約29℃で、雨期の時期でも最高気温は33℃になります。
こうした影響から、物件が南向き・西向きだと部屋の中が暑くなってしまい、その分電気代もかかってしまうため選ばれにくいのです。
タイの家賃はエリアや物件タイプによって変わる
タイ・バンコクの家賃は、エリアや住居形態によって大きく異なります。
契約が満了になるまで家賃の支払いは続くので、相場を知り、毎月無理なく支払える物件の中から自分のライフスタイルに合う部屋を見つけましょう。
自分に合った賃貸物件をタイで探す際は、現地に詳しく、日本人への物件紹介の実績が豊富な不動産会社に相談するのがおすすめです。
タイ国内には日本人向けの不動産会社が多く存在します。
どこを選んでいいか迷ったら、以下のページもぜひチェックしてみてください。
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また、不動産会社選びのポイントも併せて解説しているので、こちらも参考にしながら自分に合った不動産会社を探してみましょう。